2.生薬から処方へ…生薬の組み合わせ


薬草による治療は、洋の東西を問わず古代からありましたが、いずれの場合でもその最初は、単味の生薬による薬草療法でした。そして色々な種類の生薬を治療に用いている間に、同じような作用を持つ薬草反対の作用を持つ薬草薬草の毒性(中毒)を和らげてくれる薬草、などの存在が発見されこれらの生薬を二種、三種と組み合わせることで、単味の薬草療法より高い治療効果が得られることがわかりました。

生薬を組み合わせ(配合)で使用することによるメリット

@ 薬物の長所が発揮され、適応症が広くなる。

一般に生薬には複数の薬能があります。

例えば、有名な人参は、それ単独でも補気健胃剤として有効な生薬ですが、単独では、体を温める働きはあまり強くありません。同じく健胃作用があり、しかも強い温性薬である乾姜と用いることにより、その補気健胃作用はずっと強まります。また、利尿作用のある、白朮や茯苓を人参と一緒に用いることにより胃腸内の余分な水分が除かれ健胃作用が強まります。このようにある生薬を他の生薬とともに用いることにより本来の薬効が増強されたり新たな薬効が加わったりします。

Aある薬物の毒性を抑える。

ある薬物は偏性(偏る性質)あるいは毒性をもっていて副作用を生じたりします。そのためそれを調節したり、緩解したりすることができる薬物を配合すれば不利な要素を解消し期待する薬効だけを引き出すことができます。例えば半夏は単独で用いると刺激性が強く喉の粘膜などに炎症と痛みを起こしますが、生姜といっしょに用いることで、半夏の毒性が抑えられ、お互いの持つ止嘔作用が増強されます。

B生薬の組み合わせは、まずは二味の配合から。

生薬の配合を考える上で最も基本となるのは、二つの生薬の組み合わせです。例えば、

桂枝は麻黄と組み合わせることで発汗作用が増強し、附子は乾姜と組み合わせることで温熱作用が増強するように、生薬二味は薬方構成の基本的な骨格です。

二味からなる処方…乾姜附子湯、甘草乾姜湯、芎黄散、梔子豉湯、芍薬甘草湯、桔梗湯、大黄甘草湯、沢瀉湯



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