21.釣藤散

[構成]

釣藤鈎【苦微寒】、陳皮【辛温】、半夏【辛平】、麦門冬【甘平】、茯苓【甘平】各3、人参【甘微寒】、菊花【苦微寒】、防風【辛温】各2、石膏【辛寒】5、甘草【甘平】乾生姜【辛温】各1

釣藤鈎、菊花、防風には鎮静・鎮痛・鎮痙作用があります。また菊花は昔から不老長寿の薬草として賞用されその薬能は「風熱を散じ、鬱を破り頭目を明らかにする。」とあり頭痛や目眩、眼病に用いられます。この菊の花の乾燥させたものを枕にいれた「菊枕」は安眠用のグッズとして古くから使われていました。釣藤鈎は大脳の興奮を静め、脳の動脈の痙攣を取ることで血流を改善するため、最近、記憶力の回復や認知症への適応が注目されている生薬です。石膏は強い清熱薬ですが少量の場合は鎮静作用が主となり、釣藤鈎、防風、菊花に協力します。人参、茯苓、半夏、陳皮、生姜は脾胃の虚証に対応し食欲不振や心下部の痞えを治します。麦門冬には滋潤作用と強壮作用があり皮膚の枯燥・便秘を治します。


[出典および口訣]

@「肝厥頭暈を治し、頭目を清するは釣藤散。」   『普済本事方』・頭痛頭暈篇

A「この方は、肝厥にて気分逆上し眩暈するの、是が肝厥と云う者ぞ。」浅井貞庵

B「これは、肝厥頭痛と云うて、肝木の気亢ぶる人の目眩頭暈を治する方。また転じて頭痛に用う。その症、左のこめかみの所より、目の魚尾の処へ引きつけて痛む者によく効くなり。暈も痛も同様の理なり。」 『梧竹楼方函口訣』百々漢陰

C「この方は、俗にいわゆる癇症の人、気逆甚だしく頭暈眩暈し、あるいは肩背強急、眼目赤く心気鬱塞する者を治す。」   『勿誤薬室方函口訣』浅田宗伯


[証および適応症]

証:皮膚が乾燥気味でカサカサし、顔色はのぼせて赤みがかっているが、艶がなく、肩から首にかけて筋肉のこりがあり、神経的な興奮があるが発散できないためにイライラするものの頭痛(特に朝方や起きた時に血圧の上がるもの)や目眩、耳鳴、不眠に用いられます。

『婦人の更年期や虚弱者の慢性腎炎、脳動脈硬化の時の頭痛、めまい、肩こりによい。また、頭痛は朝の起床時や休息時にあらわれ、頭痛とともにイライラ、のぼせ、頭重感、耳鳴、不眠などの神経症状が強く、心下部の痞え、食欲不振等の消化器症状が見られる。』

適応証:高血圧、動脈硬化症、更年期障害、めまい、メニエル病などに用いられます。



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