20.十味敗毒湯

[構成] 柴胡【苦平】、桔梗【辛温】、桜皮、防風【辛温】、茯苓【甘平】、川芎【辛温】、各2.5、独活【苦平】、荊芥【辛温】、甘草【甘平】各1.5、生姜【辛温】1

万病回春の荊防敗毒散より前胡、薄荷、連翹、桔殻、金銀花の五味をのぞき、桜皮一味を加えたもので、華岡青洲が創作したものです。独活、防風、茯苓は風湿を去り、桔梗、川きゅうは排膿して気をめぐらし、柴胡は表裏の血熱を解し、荊芥は諸瘡の毒を解し、連翹はできものや腫物の結熱を散じます。また、荊芥、防風、桔梗、柴胡、川芎、桜皮は解毒的な効果があり、茯苓、甘草、独活、生姜が補助的に働きます。全体として解毒機能を盛んにしてその毒素を解除し、化膿性の皮膚疾患に効果があります。


[出典および口訣]

華岡青洲は万病回春の荊防敗毒散を原方に取捨選択し、十味敗毒湯を創作しました。@「十味敗毒散、家方 癰そ、および諸般の瘡腫起こりて、増寒壮熱、疼痛する者   

を治す。」「諸疔瘡、発熱悪寒、頭痛、疼痛の者を治す。」『瘍科方筌』華岡青洲

荊防敗毒散について…

「癰そ、疔腫、発背、乳癰等の症を治す。増寒壮熱、甚だしきは、頭痛拘急し、その状傷寒に似たり。一二日より四五日に至る者は、一〜二剤にて即ちその毒衰える。軽き者は内に自ら消散す。荊芥、防風、連翹、独活、きょう活、柴胡、桔梗、川きゅう、枳殻薄荷前胡金銀花、茯苓、甘草、生姜を与える。」

『万病回春』

[証および適応症]

証:小柴胡湯がよく適応する体質で、胸脇苦満があり、化膿症やアレルギー疾患を起こしやすい人の皮膚疾患で、分泌物があまり多くないものに用います。

発疹は、発赤腫張し、熱感、疼痛、かゆみなど炎症症状が強く現れている場合に有効です。

適応症:せつ、癰、湿疹、蕁麻疹、乳腺炎、リンパ節炎、上顎洞炎、水虫、面疱、中耳炎、麦粒腫、外耳炎、およびこれらの疾患を反復する時、体質改善に用います。


[加減方および留意点]

@便秘する時は大黄・芒硝を加えます。

A連翹・ヨクイニンを加味して用いられることが多い。

B患部の赤みやかゆみが強いときは、石膏や黄連、黄ごんを加味します。

C同時に瘀血の症候が見られるときは桂枝茯苓湯と合方します。

D滲出液が多く、痂皮を形成するタイプの湿疹には向きません。



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